事業計画を策定する
2022.03.04
M&Aにおいて、買い手がどのように事業の価値を評価するかご存知でしょうか。
それは、事業の将来の収益力や成長性に基づく価値評価です。
つまり、買い手に将来性をアピールできれば、より高い評価を得られる可能性があるのです。
もちろん、非現実的な事業計画では買い手は納得しません。
買い手に納得感を与えるためには、合理的な事業計画を準備する必要があります。
それでは、買い手に納得感を与える、合理的な事業計画とはなんでしょうか。
合理的な事業計画の絶対条件は、
説得力のある前提や仮定に基づき事業計画が作成されていることです。
その前提や仮定が説得力があるかどうかの判断基準は、
マクロ経済数値や業界・競合の成長率、
投資と成果のバランス、
過去実績との連続性などさまざまです。
事業によってKPI(重要な業績評価指標)は異なりますが、
将来計画におけるKPIがこうした判断基準に照らして説明可能でなければ、買い手はその前提を受け入れません。
例えば、
過去の一人当たり売上高1000万円に対して、
来期は2000万円に急上昇するような計画は、
合理的にその増加が説明しうる状況がない限り、買い手に受け入れられることは難しいわけです。
事業規模にもよりますが、
事業計画を策定することによる
企業価値評価額のプラス影響は、数億円以上に及ぶケースがあります。
合理的な事業計画の策定は売却活動の事前準備の中でも、非常に重要な位置付けであるべきものです。
しかし、M&A仲介会社のほとんどは、
不動産仲介のようなマッチング営業中心の組織であるため、
事前準備をおざなりにし、とにかく買い手と引き合わせて成約を急ぐケースが散見されます。
多くの企業オーナーにとって、事業の譲渡は一度きりです。
買い手から正当な評価を勝ち取るため、あせらず、最善の準備を進めましょう。